意外と知られていない⁉ 仮想通貨「Dash」を徹底解説!
2017年の下半期から2018年にかけて日本でも
「ビットコイン」「ブロックチェーン」
といった言葉を頻繁に聞くようになり、投資を中心として仮想通貨(暗号通貨)という分野に対する盛り上がりを感じている方は多いと思います。
そうした時流に乗って仮想通貨について調べている方の中には
「Dash(ダッシュ)」
という仮想通貨を目にしたことがある方もいらっしゃるのではないでしょうか。
しかし、ビットコインやイーサリアムと異なり知名度が高いとは言えないので
「Dashなんて聞いたこともないよ…」
「怪しい仮想通貨なんじゃないの…?」
と感じている方もいるかもしれませんね。
そこで、この記事では全くDashを知らない方から名前を聞いたことある程度には知っている方まで全員が
「Dashについての知識は完璧だ!」
と言っていただけるように基本情報から特徴、購入できる取引所や今後の展望までDashの全てを丸裸にしていきます!
仮想通貨「Dash(ダッシュ)」の基本情報
[table id=59 /]Dashは、もともとXCoinとして2014年1月にリリースされました。
その翌月に名称をDarkcoin(ダークコイン)に変更し、2015年3月にDarkcoinからDashへと改称されました。
取引即時承認機能と取引履歴難読化機能を提供するオープンソースプロトコルに基づくPeer to Peer型の決済ネットワークにおける暗号通貨として利用されています。
そのため、高速取引と高い匿名性を実現している仮想通貨の一つとなっています。
Peer to Peerとは、複数の端末間で通信を行う際のアーキテクチャ(構造)の一つで、対等の者(Peer、ピア)同士が通信をすることを特徴とする通信方式、通信モデル、あるいは通信技術の一分野を指しています(左はクライアント・サーバー型、右はP2Pネットワーク)。
P2Pと略記することが多いです。
仮想通貨「Dash(ダッシュ)」の特徴
仮想通貨Dashは
- 即時性の高い取引を実現
- 高い匿名性
- 高いセキュリティ
- マスターノードによる取引の承認
という4つの特徴を持っています。
特徴1:即時性の高い取引を実現
Dashの大きな特徴の一つは、「即時取引」が可能であることです。
Dashにおける、送金や決済といった取引の承認速度は「約4秒」とされています。
ビットコインにおける取引承認スピードは早くても約10分程度かかるとされています。
また、Dash同様に匿名性の高い仮想通貨とされているモネロでさえ約2分程度はかかります。
では、なぜDashはこれほどまでに迅速な取引スピードを実現できるのでしょうか?
それは、Dashが導入している「インスタントセンド(InstantSend)」というテクノロジーのおかげです。
これによって、送金速度の問題で困難と言われていた店頭決済などの応用も可能になりました。
この送金スピードの早さが注目され、Apple StoreではDashのウォレットをアプリとして承認し、正式に決済手段として認めました。
特徴2:高い匿名性
Dashは
「誰(送金元)から誰(送金先)に送金されたか」
という情報が第三者には分からないようになっています。
この匿名性を実現しているのは、「プライベートセンド(PrivateSend)」と呼ばれるCoinJoinをベースとしたコインミキシングサービスです。
これは、複数のユーザーからの同一の入力を複数の出力を持つ単一のトランザクションに結合することで、トランザクションにプライバシーを追加する、というシステムです。
例えば
- AさんがBさんに2Dash送金
- AさんがCさんに3Dash送金
- DさんがEさんに5Dash送金
- FさんがGさんに10Dash送金
という4種類のトランザクションがあるとします。
この場合、直接送金するのではなく、4つのトランザクションに必要な合計20Dashが一旦プールされます。
その後、それぞれの送金金額をさらに「0.1Dash+0.9Dash+0.2Dash+0.8Dash」といったように、小分けにして送金を行うように調整します。
このようにして、Dashは匿名性を高めているのです。
今回の例は、3人が4人に向けて送金しましたが、実際には多くの取引者が存在しますので、より匿名性を高めることができ、送金の追跡を不可能としているのです。
しかし、匿名性が高い反面、犯罪者に利用される可能性が問いただされており、国がある程度規制をしてくるのではないか、とも言われています。
特徴3:高いセキュリティ
Dashは、高いセキュリティを実現している暗号技術である「X11」を使用しています。
X11は、11種類のハッシュ関数を組み合わせたもので、非常にセキュリティーに優れていて、かつ消費電力も低いと言われています。
ハッシュ関数とは、あるデータが与えられた場合にそのデータを代表する数値を操る操作、または、そのような数値を得るための関数のことです。
また、不正を引き起こす可能性のある方法の、ダブルスペントを防ぐ対策も行なわれています。
マスターノード間で確認された取引と重複するノードを介した取引が検知されると、その取引を承認しないような仕組みになっています。
特徴4:マスターノードによる取引の承認
Dash取引における最大の特徴はこの「マスターノード」でしょう。
ビットコインにおいては、ネットワーク上の全ての作業がマイナーによって実行される1層ネットワークとなっています。
しかし、Dashでは2層ネットワークを採用しています。
新しいブロックの生成などの特定のネットワーク機能はマイナーによって処理されますが、プライベートセンドやインスタントセンド、およびガバナンス機能を実行するのはDashネットワークの第2層たる「マスターノード」なのです。
マスターノードになるには、担保として1,000DASHが必要となります。
また、専用のIPアドレスを保有しており、24時間端末を稼働している必要があります。
プライベートセンドやインスタントセンドといったDashの重要なネットワーク機能を提供することになるので、ブロック報酬はマイナーと45%ずつ分配されます。
仮想通貨「Dash(ダッシュ)」に関する最新ニュース
Dashは、2018年6月に1日に100,000件を超える取引を促進するグローバル決済プロセッサー「AloGateway」との提携を発表しました。
AloGatewayは、アジア最大の決済処理業者の一つで、中華人民銀行の承認を得て運営している中国カード業界の団体であるChina Union Pay(CUP)の決済ソリューションを提供しています。
さらに、AloGatewayは世界中の全ての取引通貨でVisa及びMasterCardの取引を決済できるPayment Card Industry(PCI)準拠のインターネット決済サービスプロバイダ(iPSP)でもあります。
AloGatewayは
- 旅行
- ホスピタリティ
- エンターテインメント
- 小売
- ヘルスケア
- ゲーム
といった数多くの業種にサービスを提供しています。
AloGatewayのCEOであるSherwin Quiambao氏は今回のDashの統合に関して
「Dashは、ブロックチェーンネットワークの中で最も低い料金と最速のトランザクションが理由だ」
と述べています。
また、AlogatewayへのDashの統合に関して、DashCoreのCEOであるRyan Taylor氏は
「特にアジアやその他の暗号領域でのグローバルネットワークの拡大を続けていく」
としています。
最近では、支払いシステムとしてのDashの使用は急激に増加しており、既に1,300以上の組織が新規で受け入れています。
特に、国内通貨のハイパーインフレーションと経済危機に苦しむベネズエラでは、急速にDashの採用が拡大しています。
その数は既に300社を超えており、そのほとんどが首都であるカラカス地域となっています。
仮想通貨「Dash(ダッシュ)」が購入できる取引所
ここまでで、Dashという仮想通貨が一体どういったもので、どんな特徴を有しているのかは理解していただけたのではないでしょうか。
では、実際にDashを購入したいと考えた際に、どこの取引所で買うことが出来るのでしょうか?
ここでは、Dashを取り扱っている海外仮想通貨取引所である「Binance(バイナンス)」を紹介していきます。
海外仮想通貨取引所「Binance」
「Binance」とは、2017年7月に設立された香港に拠点を持つ、中国の仮想通貨取引所です。
設立から1年弱しか経っていませんが、2017年12月には24時間の仮想通貨取引高が世界一になるなど、実績をかなり持っている取引所となっているので、「海外の取引所」に抵抗がある方でも安心して利用可能です。
代表取締役は、OKcoinの元共同創始者であるChangPeng Zhao氏です。
Binanceのメリットとしては
- 取引市場の高い流動性
- ハードフォークにより派生した仮想通貨の付与に積極的に関与
- 取り扱いコインの種類が豊富
- 手数料が安い
- 上場させる仮想通貨を人気投票で決定
が挙げられます。
特に、3の「取り扱いコインの種類が豊富」に関しては、2018年6月現在においてモネロを含めて1173種類のコインを取り扱っています。
これは、国内で利用できる取引所の中でもダントツに多い数となっています。
また、4の「手数料が安い」を示すために以下の表を用意しました。
[table id=37 /]Binanceの取引手数料は、ビットコイン・アルトコインともに0.1%となっています。
※bitFlyer手数料はコチラ
確かに、国内取引所の中にはBinanceよりも手数料が安い取引所は存在しています。
しかし、その大半が「期間限定」の手数料であり、モネロだけでなく仮想通貨を長期的に取引することを考えた場合にはBinanceの方がお得であると言えます。
加えて、手数料をBinance独自の仮想通貨「BNB(Binance coin)」で支払うことで、取引手数料が50%割引されるキャンペーンも実施しています。
仮想通貨取引所「Binance」の手数料についてより詳しく知りたい方はコチラの記事もどうぞ!
反対にBinanceのデメリットを上げるとすれば
- 日本語のサポートが存在しない
- 日本円で仮想通貨が購入できない
の2点となります。
特に、2の「日本円で仮想通貨が購入できない」は少し痛いですね…。
Binanceで仮想通貨取引を行う場合は、国内の仮想通貨取引所等で一度日本円で仮想通貨を購入してから、Binanceに移行させる必要があります。
Binance内では、ビットコイン・イーサリアム・バイナンスコインによってアルトコインを購入することができます。
仮想通貨取引所「Binance」についてより詳しく知りたい方はコチラの記事もどうぞ!
※手数料として「ビットコイン:0.01~0.15%」「アルトコイン:0.20%」がかかります。
「Binance」で仮想通貨取引を始めるには?
まずは、Binanceの公式サイトにアクセスし、「Login or Register」をクリックしてください。
すると、以下の画面に移動しますので必要事項を入力してください。
必要事項は
- メールアドレス
- パスワード
- パスワード(確認のための2回目)
- 利用規約への同意
となります。
入力後に、⑤の「Register」ボタンをクリックします。
すると、以下のメールが届きますので「Verify E-mail」をクリックします(画像の赤丸部分)。
これでアカウントの作成が完了となり、仮想通貨取引を行うことができます。
仮想通貨「Dash(ダッシュ)」の今後
Dashは、技術に詳しくなくても簡単に使用できるデジタル通貨となることを目指しています。
そこで、エボリューション(Evolution)と呼ばれる大量採用に適したユーザーに優しいプラットフォームを現在開発中です。
2018年第4四半期までにVersion1のリリースが予定されています。
ここでは、エボリューションの持つ大きな特徴を3つ見ていきます。
変化1:ユーザーネームの実装
仮想通貨のアドレスはかなり長く複雑なものになっています。
しかし、仮想通貨であるのであくまでお金はお金、入力ミスなどしたら大変なことになりますね。
その問題を解決するのが「ユーザーネームの実装」です。
登録しているユーザーネームと公開鍵アドレスをリンクさせることによって、送金先の名前を選択するだけで送金をすることができます。
変化2:パスワードのリセットと秘密鍵の自動バックアップ
ウォレットのパスワードを忘れてしまったり、メモしたものを失うことはよくあります。
これでは大切な資産を護ることができません。
Dashは、パスワードのリセットと秘密鍵の自動バックアップができます。
ただしこの機能はオプションです。
変化3:支払いの利便性
仮想通貨のウォレットからは定期的な引き落としということができません。
しかし、このプラットフォームであれば定期的な引き落としが可能となります。
まとめ:匿名性と決済スピードを兼ね備えた仮想通貨こそ「Dash」!
いかがでしたでしょうか?
今までDashという仮想通貨を聞いたことなかった方でも、Dashがどういった仮想通貨で、どんな特徴を有しているのか、どこで買うことができるのか、など基本的な知識は手に入れられたと思います。
Dashの時価総額は約2,000億円であり、現在の仮想通貨内では14位となっています(出典:CoinMarketCap)。
ここからDashの時価総額が上がっていくかどうかは、やはりビットコインやイーサリアムといった現在の主力コインとどこまで差別化できるか、にかかっていると思います。
やはり、Dashの優位性と言えば「匿名性」と「決済スピードの速さ」です。
ただ、匿名性に関してはマネーロンダリング等の犯罪のとくめいせい温床にもなりえる特性です。
こういった問題を、国なども巻き込んで解決に向かっていけば、Dashが仮想通貨の中心となる日も近いでしょう。
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